こんにちは!
作業療法士のひろです。
サービス業において、患者さんにサービスについて説明をするということは
当たり前のように行われていると思います。
リハビリ現場においても例外ではないのですが、その説明方法が近年、少しずつ変わってきていることはご存じでしょうか。
本日は、そんな患者さんとの意思決定の方法を紹介していこうと思います。
意思決定のモデルは3つあると言われているよ
①Paternalistic model
一つ目のモデルは「Paternalistic model」(パターナリズム)です。
1950年代に主流であったのが、このモデルと言われています。
医療者が対象者の利益になると考えられる情報のみを伝えます。
対象者さんは受け身であり、治療法は医療者が決定をしていくモデルです。
例えば、風邪で病院に行き「風邪なので薬を飲みましょう」と医療者に言われ治療を行なうのが、このモデルになります。
今日の医療においても、認知症の方や精神疾患の方など自己決定が難しい方に対して使用されている状態です。
②Informed consent model
二つ目に「Informed consent model(インフォームドコンセント)」です。
慢性疾患の増加に伴い、医療者と対象者の関係は長期にわたるものとなり、意思決定モデルも形を変える必要性が生じ、提唱されました。
医療者側は、様々な情報を対象者の方に提示します。
それをもとに対象者の方が同意をするモデルになります。
例として、「風邪だと思います。風邪の治療としては、〇〇という薬を内服することが挙げられますが、実施してもよいでしょうか」のような形です。
いろいろな情報を聞けて安心できそうだけど、混乱しそう
Informed consentの問題点として
Shared decision making
そして、現在、支持されてきているモデルが「Shared decision making model(シェアド、ディシジョン、メーキングモデル)」です。
「同意」じゃなくて「合意」なんだね
例えば、「風邪ですね。治療方法は、点滴か内服が良いと思います」
「先生、すみません。粉薬は飲みたくなくて・・・。点滴も痛いし。」
「じゃあ、カプセル剤での内服もありますよ」
「それでお願いできますか」
のような形になるかと思います。
作業療法分野でのShared decision making
私も日々の業務の中で、「shared decision making model」を意識して対象者の方とお話をするようにしています。
私のイメージですが、
「これからしたいこと」「どんな人生を送ってきたか」「今後、どのような人生を送っていきたいか」は対象者の方しか分かりません。
それを聞いた上で、どうしたらその希望に添えるのかを考え、提案していく必要があると考えています。
勿論、いきなり聞かれても分からない方も多いので
一緒に相談しながら進めていきます。
最後に
今回は、医療の分野における意思決定モデルについて説明しました。
医療分野の歴史の反省から、徐々に変化してきています。
考えてみると当たり前なように思えますが、
実際は忘れやすく一番大切な部分でもあると思いますので
私も忘れないように頑張っていきます!!
勿論、場合によっては「Paternalistic」や「Informed consent」と使い分けることが必要です。
コメント